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ルドゥーテのバラ図譜展
上野の森美術館で行われている、ルドゥーテのバラ図譜展を観てきました。

ボタニカルアートは、知識の無い私にもとても分かりやすい美しさですし、花の絵も好きなので気軽な気持ちで足を運んだのですが…
並んだバラの花の絵を観て、正直驚きました。無言の存在感、と緊張感のある迫力。
絵を観ているというより、絵に観られているという気がしました。

■ルドゥーテのバラ図譜展

展示の中で一番印象に残ったのは、やはりポスターにも起用されているロサ・ケンティフォリアのピンク色のバラ。



マリーアントワネットの肖像画で彼女がもっているのもこのバラだそうです。
花弁の数がとても多く、別名キャベツバラとよばれているだとか。
柔らかな花弁が幾重にも折り重なって、まるいふっくらとしたシルエットを作り出しているんですが、その様子がまるでドレスのレースのように感じます。

それから、ロサ・ガリカ・オフィキナリスという、一番最初に展示されている赤いバラ。



一番目につく、誰もが一番気合いを入れて観る、第一番目の絵です。
この一枚目の迫力が、ショッキングなほどに衝撃的です。
それは確かに絵なのですが、どう観てもそこに本物のバラの花が展示されているように見えるんです。
花の質量を感じるんです。昨日の晩につんできたバラの花を、押し花にしたように見えるんです。
その質感、ひかりと影、つやっぽさ、綺麗なだけじゃない生々しさ…ただ美しいバラの花の絵ではなく、まさしく「生き物としての、バラという植物」の絵なんです。

個人的な思い入れがあるのが、ロサ・ポンポニア・ブルグンディアカ。別名「ブルゴーニュのポンポン咲き」。



この絵は、今年の初めの頃に、偶然ネットで見つけたんです。偶然だったので、誰の絵なのか、何の絵なのかも分かりませんでしたが、とても気に入っていたのでプリントアウトして手帳に張り付け、いつも持ち歩いていたんです。
その毎日みなれた赤いバラの花の絵に、こんなところで出会いました。
君はこんなにも格式高い子だったのか!と驚きました。
ポンポンとは何かしら、まさか花がポンポン咲くから、ポンポンというのではあるまい、と思い調べてみました。
フランス語で「pompon」は玉房(先を丸くした房)の事を指すそうです。なるほどね。確かに、小さな花の様子が玉房に感じられたということなのでしょうね。
良い出会いをしました。

あとは、ロサ・ノワゼッティアーナ。



花の付き方が、どこか桜の花を連想されます。しかもこの花の説明書きがとても素敵なんです。「ヨーロッパの美しい夏の日の記録」だそう。(記録じゃなくて、記憶だったかも)
桜をイメージすると、春ですが、ヨーロッパでは違うんですねぇ。
夏…しかも、美しい夏の思い出の花なんですね。
行った事も無いフランスの夏の風の香りを感じます。想像でしかございませんがね。

ちょっと地味目なところで、気になるのはロサ・ピンピネリフォリア・イネルミス。別名「ドゲナシワレモコウ」。ワレモコウって、あれですよね。赤い、先端が丸い実のような花。
とくにワレモコウを連想させるような部分はないのですが、なぜワレモコウという名前になっているのでしょう。他にもワレモコウと和訳のついたバラが数種ありました。何か由来があるのでしょうね。
由来が気になる和訳(当時のフランス語名の和訳)としては「ナニワイバラ」(なにわなのか?!)、「粉バラ」(花粉が落ちるってこと?)、「100エキュ銀貨のワレモコウバラ」(エキュとはどこの通貨だ?)、「実がくさいバラ」、「松ヤニ臭のバラ」などがありました。実が臭いって…

ロサ・ルビギノーサ・クレティカ。これも地味目のバラなんですがね、説明書きに「地味な品種の晴れ姿がバラ好きにはたまらない」と書かれているんです。
ちょっと感動しました。
ロサ・ガリカ・オフィキナリスやロサ・ケンティフォリアは見た目にも華やかで、色も美しく、注目されやすいですが、通は観るところが違うんですねぇ。
同じくロサ・インディカも「ルドゥーテが描くと、派手さのない一重が、ヒロインになれる」と書かれていました。
まるでシンデレラと魔法使いですね。
ルドゥーテは、どのバラもとても愛していたんでしょうね。

■ルドゥーテの肉筆画
特別出品ということで、肉筆画が3点ほど展示されています。
ベラムという、なめした革に描いているそうです。
肉筆画は迫力が一段と違います。魂が込められていますね。
さりとて、図譜の表現が劣るかというと、とんでもない。そんな事は全くない!

しかし、よく考えると、疑問が生じるのです。
肉筆画があるということは、図譜は印刷である。
え…?あれが印刷ってどういう意味?

■考えだすと夜も眠れないスティップル法
スティップル法という、点刻による銅版画なんだそうです。
と言われても、スティップル法とは何か。点刻とは何か。銅版画とはなにか。なにがどうなると、あのような美しい仕上がりになるのかさっぱりわかりません。

スティップル法というのは、銅板に、針で点で小さな小さな穴をあけて、版を作る方法だそうです。
と、言われても、やはりよく分かりません。
小さな穴をあけるって、どうやって?
原画をみながら、トントンと穴を空けるということなんでしょうか。
一色表現ならまだしも、カラーですよ。
現代の通常の印刷物だったら、CMYKの4色の掛け合わせですけど、この図譜はどうみても4色じゃない。
蛍光がかった鮮やかなピンク色。深みのある濃い黒い色。一体、何色を掛け合わせて作っているのでしょう。
というか!
色の分解は、手作業?!
まさか、今観たいにパソコンでCだけ分解できるハズがあるまい。
手作業で、水彩で描かれた原画の色を分解されるということ?
ということは、この版を作る職人は、この原画を版に模写(正確には違うけど)するということ?

何をどうすると、こんな大変な事になってしまうのか…調べてみてもよくわかりませんでした…
ただ、おそらく、気の遠くなるような果てしなく大変な…作業だったのではないかと思われます…

展示されている絵を近くで観ると、確かに、小さな点々を感じられるんです。まさか、あれをひとつひとつ人の手で打ったということなのでしょうか。
それとも、何かとても効率の良い方法があったのでしょうか。

考えだすと夜も眠れない…
どういうことなの…


■ミュージアムショップの話


さて、何百年も前の刷り師が、とてつもない労力をかけてこんな凄いものを刷ってくれました。

ルドゥーテの絵のポストカードが、ミュージアムショップで販売されているんです。
遠くから見て「ぜひ買って行こう。全種類ほしいくらいだ!」と楽しみにしていたのですが…
が…!

一枚100円なので文句は言えないのかもしれませんが…!
でも…!
図譜のあの迫力がまったく感じられないんです。ちっとも。
マットコート系の紙に、印刷されたそれは、まったくもって図譜の精密さが失われて、白い部分などは色がとんでしまって微妙な濃淡が感じれませんし、逆に色の深いところはコントラストが強くてとてもきつい色になってしまっている。
1枚300円くらいして良いから、もうちょっと良い紙で、良い印刷にしてほしかったなぁというのが感想でした。
でも、こういう事柄にはいろいろ〜な事情があるのでしょうからね、仕方なく分かってやってる部分もあるんだろうなぁと思います。ポストカードは残念だったけど、買いませんでした。
欲しいのに、どうしても欲しいと思えなかった。

でも、良いものを買えました!
青幻舎から出版されている「宮廷画家 ルドゥーテ 薔薇採集」というポストカードブック。
こちらは上記のポストカードよりも印刷も綺麗で、紙も質感のある紙を使っていました。気持ち紙が黄みがかっているところが特に素敵。
うれしいです。とても良い本を買いました。とてもうれしい!






あすで、もう展示が終わってしまいますが、何度足を運んでも良い展示でございました。
とてもとても楽しかった。楽しかったなー



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